【内引きの実態と対策④】「うちは大丈夫」が一番危険。店舗で起きる内引きの実態と防止策
5つのケーススタディ。自店舗に置き換えたら?
「うちの店舗では、これまで内引きなんて起きたことがない」
そう思っている店舗ほど、一度立ち止まって考えてみる必要があります。
内引きは、ある日突然「盗難」として発生するとは限りません。
その前には、在庫の小さな差異や、曖昧な商品管理、一人で作業する時間帯など、さまざまな「小さな違和感」が隠れていることがあります。
今回は、実際の店舗運営で起こり得る5つのケースを取り上げます。
「もし自店舗で起きたら、どうする?」
そんな視点で、一緒に考えてみましょう。
目次
- はじめに
- こんな「小さな違和感」、あなたの店舗ではどうしていますか?
- 結果:一つでも「うちにもある」と思ったら、見直しのチャンスです
- まとめ
1.はじめに
内引き対策というと、「従業員を監視する」「防犯カメラを増やす」といった対策を思い浮かべるかもしれません。
しかし、本当に重要なのは、従業員を疑うことではなく、不正が起こりにくく、万一起きても早期に気づける仕組みをつくることです。
そこで今回は、店舗で起こり得る「ちょっと気になる場面」を5つご紹介します。
どれも、それだけで「不正」と断定できるものではありません。
だからこそ、「まあ大丈夫だろう」と見過ごしていないかを、自店舗に置き換えて考えてみてください。
2.こんな「小さな違和感」、あなたの店舗ではどうしていますか?
◎CASE 01:「商品が1点足りない。でも、金額は小さい」
棚卸しをしたところ、商品が1点足りないことが分かりました。
金額もそれほど大きくなく、忙しい時期でもあったため、
「入力ミスかもしれない」「たった1点だから、今回は仕方ない」
と、そのまま処理しました。
あなたの店舗なら、どうしますか?
A:少額なので、今回は様子を見る
B:原因が分かるまで確認する
C:同様の差異がないか、過去の記録も確認する
POINT:
1点の差異だけで、内引きと判断することはできません。
しかし、「原因不明の差異をそのままにする」ことが常態化していると、不正が発生しても気づきにくい環境になってしまいます。
大切なのは、差異を責めることではなく、「なぜ差異が発生したのか」を確認するルールをつくることです。
◎CASE 02:「商品を一人で移動していた」
バックヤードの商品を、ある従業員が一人で別の場所へ移動していました。
本人に確認すると、
「店長から頼まれました」
とのこと。
特に問題はなさそうなので、そのままにしました。
あなたの店舗では、商品移動を把握できていますか?
誰が・何を・いつ・どこへ移動したのか。
この情報が後から確認できる状態になっているでしょうか?
POINT:
正当な商品移動であっても、記録が残らなければ、後から見たときに「何があったのか」が分からなくなります。
「信用できるスタッフだから任せる」のではなく、誰が担当しても同じルールで管理できる仕組みをつくることが重要です。
◎CASE 03:「閉店後、一人で作業している」
閉店後、売場の整理や商品整理を一人の従業員に任せることがあります。
防犯カメラも設置しているので、「カメラがあるから問題ない」と考えています。
では、本当に「管理できている」と言えるでしょうか?
防犯カメラは、
• 一人になる時間帯
• 商品へのアクセス
• カメラの死角
• バックヤードなどの管理状況
まで確認できているでしょうか?
POINT:
防犯カメラは、設置すること自体が目的ではありません。
「何を確認するために設置するのか」
「必要な場所が映っているか」
「何かあったときに映像を確認できるか」
まで含めて、運用することが重要です。
◎CASE 04:「在庫差異が、いつものことになっている」
ある商品について、在庫数と実際の数量が合いませんでした。
しかし、過去にも似たようなことがあったため、「棚卸しの誤差だろう」と処理しました。
あなたの店舗では、「いつものこと」になっている異常はありませんか?
小さな在庫差異、記録漏れ、商品の移動履歴の不明確さなど、「よくあること」として処理している事象はないでしょうか?
POINT:
小さな異常を放置していると、それが「店舗の日常」になってしまいます。
まずは、「いつものことだから」で終わらせず、一度原因を確認する習慣をつくることが大切です。
◎CASE 05:「信頼できるスタッフだから任せている」
高額商品や換金性の高い商品を、特定のスタッフだけが管理しています。
そのスタッフは経験も長く、店舗からの信頼も厚いので、「この人に任せておけば大丈夫」と考えています。
あなたの店舗では、「人への信頼」と「仕組みによる管理」を分けて考えていますか?
POINT:
これは、そのスタッフを疑うという話ではありません。
「信頼しているからこそ、誰が担当しても同じルールで管理できる状態にしておく」ことが重要です。
権限や管理業務を一人に集中させないこと、複数人で確認できる仕組みをつくることも、内部不正を防ぐうえで有効です。
3.結果:一つでも「うちにもある」と思ったら、見直しのチャンスです
5つのケースを見て、いかがでしたか?
「これ、うちの店舗でもあるかもしれない」
そう感じたものが一つでもあれば、それは内引き対策を見直すきっかけになるかもしれません。
もちろん、今回ご紹介したケースがそのまま「内引き」を意味するわけではありません。
重要なのは、こうした小さな違和感を、「まあ大丈夫」で終わらせないことです。
例えば
内引き対策は、
「誰かを疑うこと」ではなく、「誰が働いていても不正が起こりにくい仕組みをつくること」
です。
4.まとめ
「うちは大丈夫」
その言葉が、内引き対策を見直す機会を失わせてしまうことがあります。
内引きは、突然発生する大きな問題だけではありません。
その前には、
「少しおかしいけど、まあいいか」
という小さな違和感が存在していることがあります。
だからこそ、まずは自店舗の「当たり前」を見直してみる。
在庫管理、商品移動、バックヤード、作業環境、防犯カメラ、権限管理――。
「人を疑う」のではなく、「仕組みを見直す」。
それが、従業員との信頼関係を守りながら、内引きを防ぐ店舗づくりにつながります。
「自店舗のどこに対策の穴があるのか分からない」
「現在の防犯対策が十分なのか確認したい」
そのようなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
店舗の状況や運用を確認しながら、内引きが起こりにくい環境づくりを一緒に考えます。



